秋風が吹きはじめるころになると、それまで元気だった小児が急にゼーゼーし始め、呼吸が苦しくて夜間急病センターを受診する例が目立つようになります。

いわゆるぜんそく発作です。春先と秋口といった季節の変わり目に多くなる傾向は、今も昔も変わりはありません。 台風、低気圧といった気圧の変化、感冒など、感染がきっかけで発作を起こすこともよくあります。 ぜんそく発作は気道の慢性炎症で、気管支にたくさんの炎症細胞が集まり、気管支を傷つけています。 この状態が長く続くと、気管支が繊維化して固くなり、気道の狭窄が残ってしまったり、成人になっても発作が消えず、一生発作で苦しむ場合があります。

思春期に多いぜんそく死も減ったとはいえ、まだかなりの数にのぼります。 したがって、幼少からのぜんそくを発作が起きないように、いかにコントロールするかが、小児科医にとって非常に重要な問題となります。 具体的には重症度に応じて気管支拡張剤、抗アレルギー剤、経口ステロイド吸入剤などをいろいろ組み合わせて、長期管理を行います。 しかし、これだけでは不十分で、家庭においてもアレルギーの原因となるダニを減らすような環境整備も大切と言えます。

それから、家族の中に家の中でたばこを吸う人はいないでしょうか。たばこの煙も非常に有害で、別の部屋、換気扇の下などで吸っても、悪影響に変わりはありません。 子供の健康を願う気持ちがあれば、家族の禁煙はとても大切で、養育者の義務と言っても過言ではありません。